BW-ZoneTradeインジケータの紹介
BW-ZoneTradeインジケータとは
著名なトレーダーであるBill Williams氏によって開発されたテクニカル指標です。
BW-ZoneTradeインジケータは、色分けされたゾーンを用いて市場のトレンドを示します。 これらの色はモメンタム(勢い)の強さと、その変化する速度(=加速度)を根拠としていることから、トレンドが強いと考えられるポイントを視覚的に把握しやすくし、売買のタイミングを見極めることをサポートするインジケータです。
詳細は同氏の著書である New Trading Dimensions (2007年発行)の7章「Trading in the Zones」で解説されています。(その前の章の内容(Awesome Oscillator, Acceleratorも関連しています)
興味のある方、インジケータの使い方をより深堀りして活用の幅を広げたい方は、ぜひ読んでみてください。
MT5で BW-ZoneTradeインジケータを使用する方法
現在はMT5のインジケータリストに標準で備わっています。
サイドメニューにあるナビゲータウィンドウ(なければ上部メニュー の表示→ナビゲータを選択します) から、
指標→Examples → BW-ZoneTrade を選択すればすぐに利用することが出来ます。

パラメータは一つもありません。シンプルなインジケータですね。

少し前までは MQL5.comコードベース から自分でダウンロードして使用するものだったのですが、利用者が多かったのか? 標準インジケータの一つとして組み込まれるようになりました。
BW-ZoneTradeの色の意味
緑ゾーン: 上昇ゾーン
- モメンタムが上昇し、かつ加速度も上昇している状態が確認されると、ローソク足が緑色になります。 つまり、緑色の区間は上昇の勢いが強いことを示唆します。
赤ゾーン:下落ゾーン
- モメンタムが下落し、かつ加速度も下落方向に上昇している場合、ローソク足が赤色になります。 つまり、赤色の区間は下落の勢いが強いことを示唆します。
グレーゾーン:方向性が認められない区間
- 緑ゾーン、赤ゾーンの条件を満たさない場合はローソク足がグレーになります。
| モメンタム - 下落 | モメンタム - 上昇 |
| 加速度 - 上昇 | 灰色 | 緑色 |
| 加速度 - 下落 | 赤色 | 灰色 |
BW-ZoneTradeのベースとなっているインジケータとその意味
Awesome Oscillator (AO): モメンタム
(AO) は、マーケットの勢い(モメンタム)を測定するためのテクニカルインジケータです。これは、特定の期間の単純移動平均(SMA)の差を基に計算されます。
AOもMT5標準インジケータとして搭載されており、すぐに利用することができます。

AOの計算手順
- 期間の設定:
- AOの計算には、通常5期間と34期間のSMA(タンジュに同平均)を使用します。これらの期間は、短期と長期のトレンドを捕捉するために選ばれています。
- AOの計算には、通常5期間と34期間のSMA(タンジュに同平均)を使用します。これらの期間は、短期と長期のトレンドを捕捉するために選ばれています。
- 中央価格の計算:
- 各期間の中央価格(Median Price)を計算します。中央価格は、各バーの高値と安値の平均です。
- 各期間の中央価格(Median Price)を計算します。中央価格は、各バーの高値と安値の平均です。
- 短期SMAの計算(5期間SMA):
- 中央価格の5期間の単純移動平均を計算します。
- 中央価格の5期間の単純移動平均を計算します。
- 長期SMAの計算(34期間SMA):
- 中央価格の34期間の単純移動平均を計算します。
- 中央価格の34期間の単純移動平均を計算します。
- AOの値の計算:
- 短期SMAから長期SMAを引いた値がAOの値となります。
- 短期SMAから長期SMAを引いた値がAOの値となります。
AOの意味
- AOが上昇している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して上昇している場合、上昇方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは緑色になります)
- AOが下落している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して下落している場合、下降方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは赤色になります)
- AOが正の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を上回っており、市場は上昇トレンドにあることを示します。
- AOが負の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を下回っており、市場は下降トレンドにあることを示します。
- AOが上昇している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して上昇している場合、上昇方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは緑色になります)
- AOが下落している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して下落している場合、下降方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは赤色になります)
- AOが正の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を上回っており、市場は上昇トレンドにあることを示します。
- AOが負の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を下回っており、市場は下降トレンドにあることを示します。
- AOが上昇している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して上昇している場合、上昇方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは緑色になります)
- AOが下落している場合:AOの値が一つ前のバーと比較して下落している場合、下降方向のモメンタムが強くなっていることを示します。(この状態において、AOインジケータは赤色になります)
- AOが正の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を上回っており、市場は上昇トレンドにあることを示します。
- AOが負の値の場合 :短期の平均価格が長期の平均価格を下回っており、市場は下降トレンドにあることを示します。
Accelerator Oscillator (AC):加速度
Accelerator Oscillator (AC) は、マーケットの勢いの変化(加速度)を測定するためのテクニカルインジケータです。これは、AOの値とそのSMAとの比較によって計算されます。
ACもMT5標準インジケータとして搭載されており、すぐに利用することができます。

ACの計算方法
- AOの差の計算:
- AOの5期間SMAと現在のAOの差を計算します。
- AOの5期間SMAと現在のAOの差を計算します。
- ACの値の計算:
- この差の値の5期間SMAを計算し、それをACの値とします。
- この差の値の5期間SMAを計算し、それをACの値とします。
- 意味:
- ACが上昇している場合:ACの値が一つ前のバーと比較して上昇している場合、上昇方向のモメンタムが加速していることを示します。(この状態において、ACインジケータは緑色になります)
- ACが下落している場合:ACの値が一つ前のバーと比較して下落している場合、下降方向のモメンタムが加速していることを示します。(この状態において、ACインジケータは赤色になります)
BW-ZoneTradeインジケータの活用方法
著書におけるBW-ZoneTrade活用方法1. エントリ判断
- 以下の3つの条件が満たされた場合にロングエントリ可能とし、条件が満たされる限り、連続して追加エントリを行います。
- AOが緑(=モメンタム上昇)
- ACが緑(=加速度上昇)
- 終値が一つ前のバーの終値より高い
- AOが緑(=モメンタム上昇)
- ACが緑(=加速度上昇)
- 終値が一つ前のバーの終値より高い
- 以下の3つの条件が満たされた場合にショートエントリ可能とし、条件が満たされる限り、連続して追加エントリを行います。
- AOが赤(=下落方向のモメンタム上昇)
- ACが赤(=下落方向に加速度上昇)
- 終値が一つ前のバーの終値より低い
- AOが赤(=下落方向のモメンタム上昇)
- ACが赤(=下落方向に加速度上昇)
- 終値が一つ前のバーの終値より低い
著書におけるBW-ZoneTrade活用方法2. トレーリングストップ
- ゾーン区間が6~8本等連続して続くことは稀です。 連続したゾーンのバーが5つ以上続いた後、エグジットの準備を始めます。
- 5番目のバーの高値(または低値)の1ティック上(または下)にストップを設定し、その後も同じ方向のバーが続く限り、ストップを移動し続けます。
- バーの色が変わったり、ストップがヒットした場合にエグジットします。
BW-ZoneTradeが機能する銘柄・時間足
「どの時間足を使うか、株や商品を取引するかは関係ない」 と書かれていますが・・・
トレンドが強く出る局面でピラミッドすることで一気に利益を上げる手法と見受けられますので、強いトレンドが確認しやすい銘柄・時間足と相性が良いのではないかと考えられます。
FX銘柄については言及されていませんが、トレンドが強く出やすい銘柄とそうでない銘柄がありますので、相性の良し悪しは少なからずあると思います。
また時間足については、一般的には短いほどランダム要素が強くなる傾向があるため、ある程度長めの足を軸に評価した方が良い結果が得られやすいのではないかと考えます。
BW-ZoneTradeをカスタマイズしてFXトレードに活用する
FXトレードを行うユーザーは短期トレードを好む傾向が強い印象があります。一方でBW-ZoneTradeのようなトレンドの傾向を掴むインジケータは、短期の判定結果だけでなく、ある程度長めの足での判定結果も考慮しながら活用することが望ましいと考えられます。
インジケータをマルチタイムフレーム化する
カスタムインジケータを開発して、BW-ZoneTradeの各時間足の判定結果を一画面に表示してみます。
BW-ZoneTradeはカラーキャンドルとして描画されるタイプのインジケータのため、チャート上に複数時間足の結果を一括表示することができません。
代わりに、サブウィンドウに各時間足の同インジケータの判定結果を一覧表示するようなカスタムインジケータを作成してみました。

該当時刻における各時間足の判定結果が一目でわかるようになり、手軽に確認できるようになりました。
しかし、具体的なエントリポイントの判断等に活用するには、もうひと工夫必要かと思います。
ローソク足チャートもカスタマイズする
更に別のカスタムインジケータとして、独自の判断基準も追加しつつBW-TradeZoneのマルチタイムフレームを考慮したインジケータを作成してみました。

BW-TradeZoneの本来の意味するところとは若干異なるものにはなっていますが、短期足でもゾーン開始位置を目印にエントリしていけば機能しそうな印象があります。
また、他のインジケータと組み合わせることで、エントリの精度を上げたり、エグジット判定を補強することもできそうです。
例えばダウ理論インジケータのトレンド方向と合致するもののみシグナルとして有効とみなしたり、押し安値(=上昇トレンド中の安値切り上げ)・戻り高値(下降トレンド中の高値切り下げ)のような、根拠のある相場反転を示唆するレートをトレール価格とみなして逆指値を動的に管理するというのも有効ではないかと思います。

著書における活用例はピラミッド+トレール→一括決済のようですが、 自分のトレードスタイルに合わせてカスタマイズすることで、短期売買などへ応用することもできそうですね。
まとめ
まずはざっくりとした開発だけ行ってみましたが、エントリが有利なポイントを絞り込んだり、ポジション保有後にトレンド失速を検出し早めに手仕舞いする等、様々な利用方法がありそうです。もう少し深堀りを続けながら、EAに組み込んで品質改善に活かしていきたいと思います。
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まとめ
効率的な投資を実現するためには、仕組み化と自動化が不可欠です。
今後も相場環境の分析に役立つアイデアをまとめ、すぐに使えるツールとしてお届けしていきます。
自動売買ツールによってトレードの自動化が可能ですが、そのEAをいつ起動し、停止するかの判断は個人の判断で行うことになります。
賢くEAを活用するためにも、インジケーターを活用して相場環境の分析にお役立て頂ければ幸いです。
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