【MT5】【動画ガイド】バックテストを実行する(1)事前準備

概要

以前の記事で、エキスパートアドバイザー(EA)の効果を最大限に引き出すためには、徹底的なテストが不可欠であると説明しました。
この記事では、MT5を使用したEAのバックテストを実行する前に必要な準備について解説します。バックテストの目的や必要性、対象銘柄の準備方法、経済指標カレンダースクリプトの配置と実行方法など、正確で効率的な検証を行うための手順を詳しく説明します。

前提

本手順は弊社EAにおけるバックテスト手順について解説するものです。一般的なEAのバックテストの準備とは一部異なる手順がございます。

操作手順

バックテスト事前準備- 操作手順【動画】

バックテスト事前準備- 操作手順【主な説明内容】

バックテストとは

バックテストとは、過去の市場データを使って自動売買プログラム(EA:エキスパートアドバイザー)のパフォーマンスを検証するプロセスです。
過去データを使用してEAの性能を検証することができますので、デモ口座やリアル口座でEAを稼働させるよりも効率よく広範囲の検証を行うことが出来ます。

バックテストの必要性

戦略の有効性確

過去の市場データを使用して、戦略が、どれだけ収益が上げられる見込みがあるのかを評価することができます。
この結果が未来の収益を保証するものではありませんが、戦略が将来的にどのような利益をもたらす可能性があるかどうかを理解する上では、非常に重要な情報となります。

リスク管理

潜在的なドローダウン(資本の減少やリスクに対する収益の割合を評価することができます。損失や含み損の規模感や発生頻度を事前に理解しておくことは非常に重要なプロセスです。これを理解することで、適切な資金管理方法(証拠金、レバレッジ、ロット数を事前に検討できるようになります。
また、過去の傾向を理解しておくことで、目先の売買結果に一喜一憂することなく、運用を継続出来るようになります。

パラメータの最適化

異なるパラメータ設定をテストすることで、最も効果的な取引条件やリスク管理設定を特定できます。
デフォルトパラメータが、自身の運用にとって最良の選択であるとは限りません。 自分にあった運用方法を模索することで、運用しやすい条件を特定することが出来ます。

バックテストを行うタイミング

  • 新しいEA(エキスパートアドバイザー)や戦略を導入したとき
    新しい取引戦略やEAを導入する際には、リアルマネーで取引を開始する前に、必ずバックテストでその有効性やリスクを確認します。
  • 既存の戦略を改良・最適化したとき
    現在使用しているEAや取引戦略の設定を変更した場合、その影響を確認するためにバックテストを実施します。
  • 市場の状況が変化したとき
    市場環境(例えばボラティリティの上昇や下降、トレンドからレンジ相場への転換などが変化した際、現在の戦略が新しい状況に適応できるかを検証します。
  • EAのパフォーマンスが予想と異なるとき
    リアルトレードでEAのパフォーマンスが期待を下回る場合、原因を探るためにバックテストを行い、戦略や設定の見直しを検討します。

バックテストの事前準備

EAを配置する

今回は例としてSelene_USDJPYをサポートドキュメントからダウンロードし、MT5の「Experts」フォルダに配置します。
具体的なEAの配置方法は、「EAの配置方法」の動画ををご参照ください。

バックテスト対象銘柄の準備

①検証を行いたい証券会社、口座タイプでログインしていることを確認しましょう。
MT5のバックテストで使用されるヒストリカルデータは、ログイン中の証券会社、口座タイプにおける銘柄のレートが使用されます。
証券会社や口座タイプが異なると、配信レートやスプレッドが異なり、検証の精度に問題が起きることがあるので注意してください。

②気配値表示パネルにバックテストを行いたい銘柄が表示されていることを確認しましょう。
バックテストの設定で使用可能な銘柄は、気配値表示パネルに表示されている銘柄となります。
テストしたい銘柄が存在しない場合は、事前に気配値表示パネルに銘柄を表示しておきましょう。

経済指標カレンダースクリプトを配置する
経済指標カレンダースクリプトとは

経済指標カレンダースクリプトは、経済指標データ(イベント内容、日時の情報を自動収集します。
このスクリプトは、バックテスト実行時のみ使用します。(リアル口座で運用する際は不要です。)
経済指標データの取得には、インターネット接続が必要です。しかし、バックテスト機能は、MT5の内部仕様として、インターネット接続が禁止されています。
そのため、事前にデータを収集、蓄積するスクリプトを使用することで、EAから経済指標データを活用できるようにする必要があります。

経済指標カレンダースクリプトを配置する

サポートドキュメントにログインします。
自動売買ツール→セレーネ v1→「EA利用開始までの流れ」と進み、「ファイルをダウンロードする」をクリックしてください。
スクリプト一覧にあるgeneratecalendar_eventandvalue.ex5をクリックしダウンロードします。
ダウンロードが完了したらMT5を開き、画面左上の「ファイル」から「データフォルダを開く」を選択します。
「MQL5」をダブルクリックし、「Script」をダブルクリックします。
先ほどダウンロードしたスクリプト(generatecalendar_eventandvalue.ex Five)をフォルダ内に配置し、フォルダを閉じます。
ナビゲーターウインドウのスクリプトを右クリックして「更新」をクリックし、配置したスクリプトが表示されることを確認してください。

経済指標カレンダースクリプトを実行する

経済指標カレンダースクリプトをUSDJPYのチャート画面にドラッグアンドドロップします。
画面左上の「表示」から「ツールボックス」を選択します。
「エキスパート」タブをクリックし、「USDJPY用の経済指標DB(バックテスト用)を生成しました」とメッセージが表示されていることを確認してください。

注意事項

  • バックテストはローカル環境で実施しましょう。
    分析や検証:ローカル環境
    ⇒VPSに負荷をかけるのを回避するため
    実際の運用:VPS環境
    ⇒EAを安定稼働させるため

補足

  • 正常にバックテストが実施できない場合は、ヒストリカルデータの手動ダウンロードが必要です。
    詳細な手順は、サポートドキュメントの「ヒストリカルデータのダウンロード方法」をご参照ください。

  • 経済指標カレンダースクリプトは、サポートドキュメントよりダウンロードしてご利用ください。

  • この操作はテスト対象の銘柄に対して1回のみ実施すれば問題ありません。
    →テストを実行する度にスクリプトを実行する必要はありません。
    →異なる銘柄でテストする場合は、該当銘柄のチャートを開き、同じように操作をしてください。
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